大阪の都心部に広がる緑と水の空間、中之島公園。
大阪市立東洋陶磁美術館は、その緑に溶け込むように建っています。
この美術館は、世界的に有名な「安宅コレクション」を住友グループから寄贈されたことを記念して大阪市が設立したもので、1982(昭和57)年11月に開館しました。
館蔵品は「安宅コレクション」の中国・韓国陶磁を中心に、「李秉昌(イ・ビョンチャン)コレクション」の韓国陶磁、濱田庄司作品などの寄贈や、日本陶磁の収集などにより、東洋陶磁のコレクションとして世界第一級の質と量を誇っています。
このなかには、2件の国宝と13件の重要文化財が含まれています。
また、ペルシア陶器、鼻煙壺など関連分野のコレクションの寄贈によっても館蔵品の充実が進んでいます。
展示では、代表的な作品約400件によって中国、韓国、日本の陶磁などを独自の構成と方法により系統的に紹介しています。
年1~2回の企画展、特別展では専門的なテーマのもとに、学術的水準と芸術性の高さを保ちながら、魅力ある内容の展示をめざしています。
作品の魅力をこころゆくまで鑑賞していただけるよう、自然採光展示ケース、回転式展示台、免震展示台など展示設備にもさまざまな工夫をこらしています。
当館は東洋陶磁を中心とした質の高いコレクションを通して、美的体験の場を提供し、豊かな感性の育成と教養の向上に貢献していきます。